今週、雨降りや用事やらでウォーキングに行けず、本日やっと暖かく晴れた中、満を持して外に出た。
公園に行く道すがら、
いつもだったらとっくに散ってしまった桜は、まだ十分に美しかった。
公園の中を歩いていくと、美しい新緑をまとった欅の広場を見つけた。
新緑の中ピィーよピィーよと入れ代わり立ち代わりヒヨドリが数羽飛んで来ては、去って行った。
暫く見ていると、側に散りかけた桜の木にヒヨドリが数羽気ぜわしく動いているのが分かり、桜の木に渡る前に欅の木で様子見、また別の子は桜の木から欅の木へと移動しているのが分かった。
桜の花の蜜を吸っているのだ。こんなに長く花が散らないのを一番喜んでいるのはあの子たちかもしれない。
殆ど人通りが無かったのでベンチに寝転がり、新緑を見上げた。そしてゆっくりゆったりと深呼吸を続けた。
そうしていると子供の頃、裏の児童公園に生えていた欅の木の事を思い出した。
幼い頃、2階の部屋で寝転んで窓から見えなかった木は、その内成長して先っぽが見えるようになり、自分も大人になる頃には、いつしか立派に茂り窓全面に広がった。途中台風で倒れてしまい根っこがあらわになったこともあり、心配したが見事に復活した。
思いもよらず共に成長した兄妹のように思っていたことが浮かんで来て、そこから更に色々な人や物に支えられ助けられ、成長してきた事が浮かんで来た。
そして新緑を見上げていると、いつしかそれが一枚の平面の写真のように感じられ、その奥にもっと違う世界が広がっているように感じられた。
そしてベンチに起き上がり反対側の別の種類の木々を見た時、「僕たちも新緑だよ!」と話しかけられたように思った。
数種類の木々に葉っぱがついている様は何か音楽を奏でているように感じた。
作曲者はイメージを音楽にするということらしいが、全く意味不明だったことが少し分かったような気がした。
本当に初めての感覚だった。
人が増え始めたので、ベンチから立ち上がりそこを後にした。