心躍る学びのつれづれ

維摩会 春秋館でお釈迦様の教えを学んでいます

やっと更新!!

湿潤療法しつじゅんりょうほう」
=モイストヒーリング、うるおい療法ってご存知ですか?
傷が出来た場合、かつては「しっかり消毒そして乾燥させる」が定番、私たちの世代はこれで育ちました。

湿潤療法とは、体が持っている自己治癒能力を最大限に活かし、痛くなく早く綺麗 に傷を直す治療法です。

方法としては、傷を水道水等で良く洗った後に被覆材で覆い乾燥させずに治療を行います。

〈痛くなく〉
乾燥すると神経への刺激で湿潤している時よりも痛みが増します。
従来使っていたガーゼは滲出液を吸収、ガーゼと傷がくっついていしまい剥がす度に出血の痛みが生じます。
〈早く〉
また傷口から出る滲出液には傷を早く直す細胞その他も集まって来ているので、消毒するとこれらの有用なものも排除することになります。当然治癒するのに時間もかかることになります。
〈綺麗〉
跡が残る原因になりやすい、カサブタを作らず綺麗に治ります。

1960年代後半から湿潤した環境の方が 傷の治りが早いことは 欧米においては 既に知られており 湿潤環境を保ち 傷を治すという概念はすでに存在していたそうです。

しかし全世界に普及せず 日本国内でも消毒、ガーゼが主流だったそうです。

ところが2001年頃から形成外科のある有名な先生が積極的にこの 療法を行い 急速に普及したそうです。

そして2004年ジョンソン&ジョンソンが家庭向けのモイストヒーリング向けの製品の発売を開始したのです。

この頃「消毒せず乾燥させないほうが早く治る」の謳い文句で流れたコマーシャルは結構衝撃的でしたが、どこか半信半疑でした。

それが今回、本当に遅ればせながら湿潤療法の効果を実感しました。

先日、指に怪我をしそこそこ深く切れて出血も結構ありました。
そこで湿潤療法のバンドエイド、キズパワーパットを貼ってもらう機会を得たのです。
自分一人だったらきっと従来の消毒、乾燥をやっていたと思います。

キズパワーパッドの素材は皮膚にびったりとつく粘着剤(疎水性ポリマー)と水分を吸収保護するハイドロコロイド粒子(親水性ポリマー)で構成されているそうです。

この粘着剤(疎水性ポリマー)は、貼る前に手のひらで包んで温め、また貼った後にも手のひらで包むと皮膚への密着度が増します。

ハイドロコロイド粒子(親水性ポリマー)は傷口から出てくる滲出液を吸収して膨らみ、ゼリーのようなゲル状のクッションになり、浸出液は傷を直す成分を含み、常に傷口を覆う状態を保つことになり、湿潤療法を可能としました。

ハイドロコロイド素材はやけどや外傷の治療現場で使われていたそうですが、これをジョンソン&ジョンソンが2004年に家庭向けのキズケア商品に初めて応用したそうです。

しかし注意点として化膿の兆候が見えたら、この療法は中止して医者の診療を受ける必要があるかもしれません。

ましてや深い刺し傷、動物に噛まれた時は感染の可能性が大なので、この療法は避けたほうが良いとありました。

深い刺し傷の場合傷口が閉じてしまい、酸素が 無くても増殖する嫌気性菌に感染した場合、これはとても菌にとって好都合の環境になります。また粘膜には嫌気性菌が存在し、動物に噛まれ傷口が閉じてしまうとやはりこれも嫌気性菌にとって都合の良い状態となります。

このなまじっかの知識で、しっかり中まで浸透していくオキシフルで消毒、傷口は開いて空気にさらしてとの考えが根強くありました。

しかし今回キズパワーパッドを体験して、一番に感じたことは、これに覆われているととても安心感があったということです。

怪我した翌日はかなり痛くて、あまり手を動かしませんでした。
その翌日は痛みも軽減したため台所仕事をし始めると、怪我した中指って、指の中では一番出っ張っているので、ちよっとした動作でも最初に触れるのは中指が多いのです。
それが皮膚に密着する柔らかい素材で覆われているため、怪我した部分はもう一枚の厚めの皮膚で覆われている感があり、その上傷口の上には滲出液で白く膨らんだ部分が出来ているので、これがクッション代わりとなるわけです。勿論防水です。

怪我した翌日白く膨らんでいるのが吸収された滲出液です

怪我して1週間後しっかり傷口はついています。

現在綺麗に治りました

異なるメーカーの商品もありますが、いずれにしろお値段は少々高めですが、薬箱には今回を期に、数種類のサイズを買い揃えました。





















本当に遅ばせながら、「湿潤治療」の効果を実感しました。

1990年代の後半まで傷に対して、しっかり消毒してしっかり乾かしてだった。子供の頃膝小僧にその典型治療が赤チン、消毒と乾燥を兼ね備えたやつだ。