明日、砕かれた歯の神経の運命が決まる。
1週間前、残骸の歯に見られた針の穴ほどの小さな神経の通り道の処置をしてもらった。
見覚えのある歯の断面図で中心部分の歯髄(神経)は勿論無菌状態だ。
そこの最上端部分に小さいとはいえ穴が空いたことになる。最上部を顕微鏡下で消毒処置それ用のセメントで塞さぐ処置をしてもらった。
処置してもらった穴を一時カバー
2,3日で痛みが引けば良いが、一週間痛みが続くようだったら、中に入った雑菌によって神経に炎症がおきているので、抜髄治療(神経を抜く)をしなければならないとのことで10錠の鎮痛剤を渡された。可能性は五分五分とのこと。
穴が小さいのでなんとか神経を温存するための可能性にかけてくれた治療だった。
痛みの状況は、う〜ん、
最初の強い痛みは治まったが、今は治療した歯の対面の下の歯に痛みが走り参っている。
食事したり、飲んだり、空気の移動など、何らかの刺激が引き金となって痛みが始まる。
まだ穴がむき出しの頃、穴を覆う応急処置で、なるべく麻酔を使わない配慮から、麻酔無しで風をそこに当てられた時の激痛を、記憶しているのではないか、と思われるような反応だ。
仏教の唯識学(ゆいしきがく)では「この世は全て人の思い(識)で在るのであって、全ては幻だ」と説くが、俄には信じられない話しだ。
しかし今のこの幻の痛みを思った時、ありもしない痛みを自分で作って、それに苦しんでいる姿の、このメカニズムは同じということかと思った。