心躍る学びのつれづれ

維摩会 春秋館でお釈迦様の教えを学んでいます

めざせ陽気暮し!!

96歳の主人の母は、勉強が良く出来たらしく戦争中、海路図を書くのに学校から駆り出された、3人の内の一人だったという。また身体も丈夫で、数年前、私が足先が冷えると言っていた事が、ようやく分ったと聞いてびっくりした。それまでは足が冷えることはなく、それを体験してみて、私が何を言っているのか、意味が初めてが分ったと言う。
瀬戸内寂聴さんが、90歳になった時、「始めて年をとったと実感した。」という話しを聞いたことがあるが、それに近いものがあるのかもしれない。
ここのところ肩の腱内の石灰沈着による、痛みの為に眠れない症状に悩まされていた。町の整形外科に通ってどうにかこうにか最悪の状態からは抜け出したところだった。
その母が、前にも紹介したが、機能型訓練デイケアに週一回通い始めて1ヶ月、結構くたびれるようで、様子を見ているところ。
週2回通っている99歳の方をはじめ、90代の人も数人いるとのことで、皆さん長く通っているベテランさん揃いで、楽にこなしているみたいです。
母との会話で「この肩の状態では手を上に上げる動作がどうしても皆より遅れる」と。昔から何でも良くできて、教わる立場において、自分が劣等生であったことなんてそうそうなかったんじゃないかなぁ。
「この肩、前と同じように動かないかなぁ。」
「皆さんはベテラン選手、同じようにやろうとするのは無理があると思うよ。」
「肩はやっと最悪の状態から抜け出したばかりだから、気長にやっていかないとね。」

記憶力も良くて一度聞いたことは忘れることはなかったらしく、「今はポンコツ!!」とよく嘆いている。
確かに忘れてしまうのは会話をしていて感じますがねぇ。

今の母は本当に優秀な96歳だと思う。なるべく子供たちに世話をかけまいとして、日々努力をしている。だからこそ思う、失った物を嘆いても自分が辛くなるばかり、今ある自分を大事にして陽気暮らしが大事だなあと、つくづく思う。
年を取れば取るほど、私お得意のマイナス志向のダメージは、大きいのではないかとも思った。
若いころの自分に執着し追い求めても何も生まれないどころか、自分を痛めてしまうし、今まで頑張ってきた自分を否定してしまう。
母の年齢になっても楽しく笑い飛ばせる自分に「ヘ〜ンシン」しなくちゃ。


〈本朝雨に濡れる、がく紫陽花〉